「江戸川の家」 最近、私は「片流れの屋根」にすることが多いです。 時代は「イエ型」なのに、時代に逆行していますね(笑) 中庭のある平屋が続いたので。 最初に採用した家が「江戸川の家」でした。 片流れの屋根を採用している理由は、そのカタチからではありません。 平面計画を優先させていることから、屋根を無意味に複雑にして 建築的、経済的なデメリットを回避しようということがその理由です。 片流れ屋根の場合、その勾配は緩くすることが多く、 雨を処理する速度が遅いことが、その形状ゆえのデメリット であるとされていますが、緩くし、雨の処理が遅くなっても 実質問題はありません。もちろん、仕上げは板金を採用し なければならないという、仕上げ材選択範囲が狭くなる という問題はありますが、板金屋根は雨漏りの心配も殆んど ないばかりか、軽量化でき地震に対しても有利で、軒を深く してもタル木を比較的小さくできる利点があり、仮に屋根勾配 をきつくできるとしても、板金屋根にした方が良い場合が多いのです。 片流れ屋根にし、緩勾配することによって、屋根面積を減らせ、 経済的にも工期的にも有利になります。その分、軒を深くしたり することができるのです。 そういうメリットが片流れにはあり、水平方向の暮らしを重視した 中規模以上の平屋や、中庭PLANの住宅には適した屋根形状であると感じています。 (江戸川の家は2階建てですが、そのPLAN上、片流れが適していました) もちろん、切妻や寄棟を否定したものではありません。 「江戸川の家」 東京都江戸川区 地下RC造+地上木造2階建 設計・監理:野口修アーキテクツアトリエ 施工:藤中工務店
by serori0310
| 2009-04-17 18:32
| 住宅建築
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