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・・・片流れ屋根

・・・片流れ屋根_a0085475_1863947.jpg
「江戸川の家」
最近、私は「片流れの屋根」にすることが多いです。
時代は「イエ型」なのに、時代に逆行していますね(笑)
中庭のある平屋が続いたので。



最初に採用した家が「江戸川の家」でした。



片流れの屋根を採用している理由は、そのカタチからではありません。
平面計画を優先させていることから、屋根を無意味に複雑にして
建築的、経済的なデメリットを回避しようということがその理由です。

片流れ屋根の場合、その勾配は緩くすることが多く、
雨を処理する速度が遅いことが、その形状ゆえのデメリット
であるとされていますが、緩くし、雨の処理が遅くなっても
実質問題はありません。もちろん、仕上げは板金を採用し
なければならないという、仕上げ材選択範囲が狭くなる
という問題はありますが、板金屋根は雨漏りの心配も殆んど
ないばかりか、軽量化でき地震に対しても有利で、軒を深く
してもタル木を比較的小さくできる利点があり、仮に屋根勾配
をきつくできるとしても、板金屋根にした方が良い場合が多いのです。
片流れ屋根にし、緩勾配することによって、屋根面積を減らせ、
経済的にも工期的にも有利になります。その分、軒を深くしたり
することができるのです。

そういうメリットが片流れにはあり、水平方向の暮らしを重視した
中規模以上の平屋や、中庭PLANの住宅には適した屋根形状であると感じています。
(江戸川の家は2階建てですが、そのPLAN上、片流れが適していました)

もちろん、切妻や寄棟を否定したものではありません。


江戸川の家
東京都江戸川区
地下RC造+地上木造2階建

設計・監理:野口修アーキテクツアトリエ
施工:藤中工務店
by serori0310 | 2009-04-17 18:32 | 住宅建築
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